シンポジウム趣旨 説明「地域資源の歴史地理」研究の課題 ………………… 湯澤 規子

第1セッション ―権力と所有―
地域と鉱物資源 …………………………………………………………………… 原田洋一郎
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.鉱物資源の領有と開発
  (1)近世における鉱物資源の領有と開発
  (2)明治初期の鉱物資源に関する施策
 Ⅲ.江戸後期における地域社会と鉱物資源
  (1)江戸中後期の武蔵国中津川村における鉛山開発
  (2)鉱物資源開発へ向ける村民の視線
 Ⅳ.明治初期における地域社会と鉱物資源
  (1)明治初頭における神岡鉱山の開発
  (2)神岡鉱山の近代化と船津町商人
 Ⅴ.おわりに

草原の「資源化」政策と地域―近代林学と原野の火入れ― …………………… 米家 泰作
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.明治・大正期の林政と原野
  (1)公有林野「整理」政策と原野
  (2)公有林野の面積推計と原野
  (3)公有林野「整理」と火入れ禁止
 Ⅲ.近代林学と「荒廃」原野
  (1)植生の環境史的理解
  (2)火入れ原野の植生調査
  (3)原野火入れ論争
 Ⅳ.木曽からの反論
  (1)長野県の火入れ禁止策
  (2)木曽の火入れ再開運動
  (3)地域の論理と林学の論理
 Ⅴ.おわりに

原田洋一郎報告と米家泰作報告によせて(平岡昭利)

第2セッション ―市場と生活―
奄美大島の観光における地域の資源化と商品化 ……………………………… 須山 聡
 Ⅰ.はじめに
  (1)観光資源化と観光商品化
  (2)本論の目的
  (3)奄美大島の観光資源
 Ⅱ.商品化された観光資源―鶏飯―
  (1)鶏飯の観光資源化
  (2)鶏飯の観光商品化
  (3)鶏飯に投影された地域的イメージ
 Ⅲ.観光商品化への試み―あまみシマ博覧会―
  (1)シマ博の経緯
  (2)観光商品化の試み
  (3)シマ博をめぐる主体間の関係性
 Ⅳ.観光商品化と地域
  (1)観光資源の演出と商品化
  (2)地域的文脈に即したストーリーの構築
 Ⅴ.おわりに

地域づくりの系譜―山梨県甲州市の甚六桜とかつぬま朝市― ………………… 湯澤 規子
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.戦前・戦後農村の再編―菱山集落の甚六会と甚六桜―
  (1)菱山集落の百年史―青年たちと敬老会―
  (2)4H クラブと甚六会
  (3)桜の植樹事業と地域間交流
  (4)自治公民館活動と地域の担い手育成
  (5)甚六会のその後の展開
  (6)新たな担い手の登場と地域づくりの広域化
 Ⅲ.暮らしの拠り所としての「地域」再発見のネットワーク―かつぬま朝市―
  (1)住民とかつぬま朝市
  (2)「地域」の再発見
  (3)勝沼の地域づくりネットワーク
 Ⅳ.おわりに―地域づくりの系譜―
  (1)勝沼における地域づくりの系譜
  (2)創意と創造が生まれる素地

須山聡報告・湯澤規子報告によせて(野間晴雄)

第3セッション ―技術と利用―
日本中世における「水辺」の支配―播磨国矢野庄の「河成」をめぐって― ……… 橋本 道範
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.「水辺」の地域資源
  (1)矢野庄の「水辺」
  (2)「水辺」の水産資源
 Ⅲ.「河成」とは何か
  (1)「河成」の定義
  (2)「河成」の認定
 Ⅳ.矢野庄の「河成」認定
  (1)「河成」認定の実際
  (2)内検なき「河成」認定
 Ⅴ.おわりに―「河成」と地域資源―

フランス山岳地における地域資源としての灌漑の意義と制度変化
   ―19世紀オート=ザルプ県を対象に― …………………………………… 伊丹 一浩
 Ⅰ.はじめに
 Ⅱ.研究対象地の概要
 Ⅲ.地域資源としての灌漑の意義
  (1)灌漑の効果・利用・特徴
  (2)灌漑の施設・規模・管理
  (3)地域資源としての意義
 Ⅳ.大規模灌漑施設建設の動き
 Ⅴ.灌漑組合制度の改正とその意義
  (1)灌漑組合制度の問題
  (2)制度改正に向けた動き
  (3)地域からの能動性と市場への対応・駆動
 Ⅵ.おわりに

地域資源としての水をめぐる環境史―中国・長江流域の事例から―………… 元木  靖
 Ⅰ.はじめに
  (1)地域資源としての水
  (2)目的と方法
 Ⅱ.研究対象―事例地域の基本要素の比較
 Ⅲ.長江上流域―成都平原と三星堆遺跡―
  (1)三星堆遺跡の立地と水利環境
  (2)都江堰建設―灌漑地域の分化と統合
  (3)都市化に伴う新しい動き
 Ⅳ.長江中流域―?陽平原と城頭山遺跡―
  (1)城頭山遺跡の立地と水利環境
  (2)平郷と?郷―対照的な灌漑水利開発
  (3)ダムの建設と?の統合・区分
 Ⅴ.長江下流域―太湖平原と良渚遺跡―
  (1)良渚遺跡の立地と水利環境
  (2)水田開発とクリーク網の形成
  (3)水をめぐる新しい課題
 Ⅵ.まとめ

橋本道範報告・伊丹一浩報告・元木靖報告によせて(溝口常俊)

総合討論
総括:シンポジウム「地域資源の歴史地理」の成果と課題 …………………… 野間 晴雄